「部下がうつ病になったら、上司としてどう対応すればよいの?」
「上司の責任はどこまで?」
「うつ病になった部下と上司のハラスメントがどう関係するか知りたい」
部下がうつ病になった場合、上司はさまざまな事項を考慮する必要があります。
上司が適切に対処しない場合、部下のうつ病が悪化するかも知れません。
そのため、上司は部下の状態に気を配り、適切な対応が求められます。
本記事では、部下が仕事でうつ病になった場合の対応について、詳しく解説します。
この記事の信ぴょう性
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人事担当として働く人の悩みを300人以上聞いてきました。
記事を読んだあとの未来像
- うつ病になった部下の対応がわかる
- 上司としての責任がわかる
うつ病になった部下への接し方や、過去に相談のあった実例まで紹介しています。
ハラスメント防止にも役立つ内容になっているので、ぜひ最後まで記事を読んでください。
目次
部下が仕事でうつ病になったら上司に責任は「ある」
部下が仕事でうつ病になった場合、上司に責任があるとする意見があります。
これは、以下の理由から考えられます。
責任の理由
- 上司は、部下の健康管理に責任を持つ立場にある
- 部下が仕事でうつ病になった場合、上司の業務や指示が原因となっていることがある
- 上司は部下の業務負担を調整し、部下の健康を守る責任がある
これらの理由から、部下が仕事でうつ病になった場合、上司に責任があるといえます。
ただし、すべてのケースで上司に責任があるわけではありません。
具体的な状況に応じて、責任を判断する必要があります。
部下のうつ病に対する上司の接し方
部下のうつ病に対する上司の接し方には、2つのパターンがあります。
職場環境による場合か、上司自身に問題がある場合です。
1つずつ詳しく解説していきます。
「うつ病」の原因が職場環境や人間関係だった場合
上司ができる部下への接し方としては、以下の2点があげられます。
- 部下とのコミュニケーションを大切にする
- 部下が話しやすい環境を整えること
部下との信頼関係を築くことは、リーダーシップにおいて非常に重要です。
オープンで率直な態度で接し、部下が持つ意見やアイデアを尊重し、受け入れる姿勢が大切だからです。
また、定期的なフィードバックや指導を行えば、部下の成長を促すことができます。
信頼関係によって、部下とのコミュニケーションがスムーズになり、話しやすい環境が整います。
部下が話しやすい環境にすれば、部下は相談しやすくなります。
そして、部下が業務負荷になっていないかも注視しましょう。
部下の負担を軽減することにより、ストレスが減り、結果的にうつ病の予防につながるからです。
「うつ病」の原因が上司だった場合の接し方
もし、上司に部下のうつ病に対する原因があった場合は、以下の接し方が求められます。
上司の接し方
- 謝罪すること
- 原因を改善すること
上司が部下のうつ病に対する原因を作った場合は、まず謝罪することが求められます。
そして、同じような問題が再発しないように、原因の改善が必要です。
上司自身もストレスを感じるかもしれませんが、冷静な対応を心がけて役割を果たしましょう。
部下のうつ病はハラスメントになるのか?
うつ病の原因がハラスメントだった場合、上司に重大な責任が問われるかも知れません。
部下のうつ病がハラスメントに該当するケースは、以下の3つがあげられます。
パワーハラスメント
部下に対してパワーハラスメントをする上司は、部下に精神的な負担をかけます。
特に、パワーハラスメントが続く場合、部下がうつ病などの精神的疾患を引き起こす可能性が高くなるでしょう。
うつ病は身体的な疲れだけでなく、精神的な疲労もでてきます。
具体例として、実際に以下の相談がありました。
相談内容
- 毎日怒られる夢を見る
- 吐き気や頭痛を感じる
- 日曜日の夕方になると憂鬱になる
上司は部下の人格を尊重し、適切なコミュニケーションを取ることが重要です。
セクシャルハラスメント
セクシャルハラスメントは、上司が部下に対して性的な言動や行動をすることをいいます。
このような行為は、被害者に深刻な影響を与える可能性があります。
具体的には
- 被害者はうつ病になる
- 精神的な苦痛を受ける
- 職場でのパフォーマンスにも悪影響を与える
セクハラは職場の労働環境を悪化させ、他の従業員にも悪影響を与える可能性が高いです。
したがって、上司はセクシャルハラスメントをしないように注意する必要があります。
上司は、自身の言動に注意し、部下の人格を尊重することが求められます。
モラルハラスメント
モラルハラスメントは、部下のうつ病につながることがあるため、上司は言動や行動に十分注意する必要があります。
なぜなら、モラルハラスメントは、職場でのストレス・不安・不満・怒りなどの感情を引き起こす可能性があるからです。
部下のストレスを引き起こす具体的な行動
- 上司が部下に対して意図的に孤立させる
- 職場での関係を悪化させるような上司の発言
- 皆の前で大声で叱責する
上記のようなケースは、職場の労働環境を悪化させ、他の従業員にも悪影響を与える可能性があります。
そのため、上司は部下の健康と幸福を促進するために、積極的に良好な職場環境の整備が必要なのです。
うつ病になった部下からの相談内容【実例】
ここでは、人事担当者宛てに相談のあった内容を紹介します。
承認しない上司
入社して半年くらいの社員から相談の電話がありました。
相談内容は以下の通りです。
- 上司の顔を見るのがこわいです
- 仕事に行こうとすると、頭が痛くなります
- 上司の声をかけられると「ビクッ」とします
対象社員は数日休みを取り、精神的に落ち着いてから話を聞きにいきました。
対象社員は、毎日仕事の遅れや残業を上司に問いただされ、メンタルを病んでいる状態。
複数回面談を行いましたが、仕事への復帰は難しく自己退職となってしまいました。
まわりの社員に2人の関係を聞きましたが、「いつも怒られていた」との声が多数あがりました。
上司が部下を指導するのは、仕事として生産性をあげるためにも必要です。
ですが、指導は承認と指導の両立がないと、部下のやる気や主体性は伸びません。
まとめ
今回は、部下のうつ病について上司の責任と対応について紹介しました。
部下のうつ病に関して、ハラスメントが原因である場合、上司に重大な責任が問われます。
そのため、ハラスメントの予防が重要です。
上司自身が職場環境を改善することで、部下のうつ病を防ぐことができます。
また、部下のケアについては上司が精神的なサポートが大切です。
部下とのコミュニケーションを大切にし、話しやすい環境を整えれば、部下が安心できる居場所ができます。
業務の見直しを提案し、部下のストレスが軽減すれば「うつ病の改善」につながります。