厳しく伝えたつもりはないのに部下が会社にこなくなった
部下への指導後あきらかに『やる気』がなくなっている
部下に声をかけると「ビクッ」とされる
このような場合は、部下への接し方を改善した方が良いかもしれません。
部下への指導はとても難しい仕事。
上司の言い方ひとつで部下のやる気も変わります。
- 部下を指導するときのNGな言い方5選
- NGな言い方をしてしまう原因
- 部下を指導するときに注意する点
- 社員から実際に相談された事例
【この記事の信ぴょう性】
- 人事担当者として7年間の経験。
- 採用面接(年間100名)
- 新人面談(300人以上)
- 退職者のアンケート集計(退職者の理由を調査)
元人事担当として働く人の悩みを300人以上聞いてきました
【記事を読んだ後の3つの未来像】
- 部下をやる気にさせる上司の誕生
- 〇〇さんに相談したいと頼られる
- 部下からごはんや飲みに誘われるかも
本記事を読めば、今日から部下に信頼される上司になります。ぜひ最後まで記事を読んでくださいね。
部下を指導するときのNGな言い方5選
取り調べのような空気で話をする
部下を指導するとき、刑事ドラマさながらの空気で話す上司がいます。完全に逆効果です。空間だけで「こわい」という印象を持ってしまうから。
部下の気持ち
シーンとした空気…気まずい。
はやく終わらないかな。
部下も上司の話より「はやく終わってほしい」と考えるもの。
話を聞きやすい場所を作ることも上司の腕の見せどころです。
上司の考えだけを押し付ける
上司の考えだけを押し付けるのもNGな言い方の1つ。部下の意見も聞いてあげないと上司の意見を聞こうとしません。
こっちの意見も聞いてほしいんだけど…
結局、自分が話したいだけでしょ
一方的な考え方の押し付けは、部下の意見を聞かないことと同意語 です。
また、部下の話を途中でさえぎるのも同じ。
部下の意見にも耳をかたむけましょう。
感情的に伝える
部下を指導するときに一番注意する点は、 感情的にならないこと です。部下が「パワハラ」と受け取る可能性が高いから。
結論、部下がパワハラと感じればパワハラです。
パワハラ上司にならないための対策は下記の3点。
複数人での面談にする
1対1だとどうしても圧迫感を感じる部下もいます。その場合は第三者を入れましょう。
第三者が入ることで
- 冷静になれる
- 圧迫感を感じにくい
以上のメリットがあります。
ボイスレコーダーで証拠を残す
面談内容をボイスレコーダーに残すのも効果的。音声データを残すことで第三者が「パワハラ」なのかが分かるからです。
注意点としては 必ず相手の許可をとってから にしましょう。盗聴と言われかねないので。
面談した記録を残す
面談した記録も残しておきましょう。どんな指導をしたのかが確認できるから。結果として自分を守る武器になります。
記録を残すとき、 面談に参加した人の会話も記録 しておきましょう。
自分だけが話した内容だけだと、リアルな面談内容だと判断されません。
マイナスの部分しか伝えない
マイナスな部分だけを伝えても部下の「やる気」があがりません 。理由としては、次はこうした方がよい…などの前向きな言葉がないからです。
たとえば、以下の2つの例を見てみましょう。
- ミスの原因だけを上司から言われる
- ミスの原因と対策を一緒に考える
部下の「やる気」が上がるのはもちろん後者。
理由は次につながる対策を一緒に考えるからです。
やる気を引き出すには、「寄り添う」ことも必要。マイナスの言葉だけではなく、次につながる言葉もかけてあげましょう。
メールで伝える
部下との会話が面倒、忙しいなどの理由でメールを使う上司もいます。残念ながらこれでは伝わりません。
メールには指導する側の温度がないからです。
部下も「メールだけで注意するんだ」と悪い印象をもちます。ですので、 指導するときは必ず対面 で伝えましょう。
部下指導でNGな言い方をしてしまう原因
上司はなぜ部下にNGな言い方をするのでしょうか。理由は過去の経験や世代への理解不足などが主な原因です。1つずつ解説していきます。
世代への理解不足
上司が部下にNGな言い方をしてしまうのは「世代への理解不足」が原因 の1つ。2020年以降に入社してくる新入社員はYやZで表現されるデジタル世代です。
特にZ世代はネット社会が当たり前。上司の常識は通用しません。
スマホが当たり前の人に「昔のガラケーはな...」と言っても理解されないですよね。
世代への理解がないと「くい違いが生まれる」のは当然です。まずは部下がどんな考えを持っているのか知ることが大切でしょう。
昔の自分との比較
上司はよく昔の話しをしたがります。過去の記憶は美化されるからです。
自分の時代はなぁ
昔の方がもっと厳しかったぞ
上司の自慢話ほど響かないものはありません。過去にどれだけ頑張ったかは本人しか分かりません。よって、あまり過去の美談はやめましょう。
部下を指導するときの注意点
部下にNGな言い方をしないためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、指導するときの注意点を4点紹介します。
部下が話を聞きやすい雰囲気作り
注意点の1つ目は部下が話を聞きやすい雰囲気作りです。重たい雰囲気では話を聞かないと先述しました。
指導=相手を指摘することなので、マイナスな空気になりがちです。ですが、日常会話から会話をはずませて伝えれば話は別。話を聞きやすい雰囲気なら、指導する内容も受け取りやすいですよね。
指導する前に相手が話を聞きやすい環境を準備しましょう。
部下からの意見も出やすい関係性作り
お互いに良い雰囲気なら、相手からも意見が出やすくなります。部下との関係性が良くなっているからです。
関係性が良ければ、違う悩みについても相談があるかも知れません。また、こちらの意見にも納得しやすくなるでしょう。
よって、部下との関係性作りもとても重要だといえます。
伝えるときはサンドイッチ方式で
部下に伝えるときは「サンドイッチ方式」がおすすめ。理由は部下が受け取りやすいから。
以下の例ではどちらが受け取りやすいでしょうか。
- 〇〇さんは 仕事の準備がとてもはやいね 。でも最後の確認にミスが多いな。
- 〇〇さんは最後の確認にミスが多いね。でも 仕事の準備がはやいから良いよ 。
最後にプラスの言葉で終わると、前半のマイナス部分がうすれているのが分かります。
指導する内容はサンドイッチのように、間にはさんで伝えましょう。
改善が見えたら、成長したことを承認する
部下への指導は伝えたら、それで終わりではありません。 むしろ指導した後が大事 。伝えたことができているかが重要だからです。
改善が見えたら全力で成長したことを伝えましょう。
部下のやる気がアップすること間違いなしです。
従業員から実際に相談された事例
ここからは人事担当のとき、実際に相談された内容を紹介していきます。
上司が忙しそうで...
仕事で悩みを抱えている社員が上司に相談しようとしました。
そのときの上司は
- いつもパソコンとにらめっこ
- こちらから話しかけてもパソコンをしながら「どうした?」と返答
いつも忙しそうに見える上司には相談したいと思いません。
話しかけやすい雰囲気を日頃から作っておくことが大切です!
こちらが質問をしても...
入社してすぐの社員から人事担当者に相談の電話がありました。
内容は以下の通り。
仕事を教えてくれる上司が、わたしの質問を聞いてくれません。
「こっちのやり方をまずは覚えてから」と質問をさせてくれないです。ます
たしかに引継ぎ中は上司が仕事を教えます。ですが、上司に質問できないと新人も仕事を覚えることができません。
解決策として、人事担当者から該当の上司に連絡。社員の悩みを共有し、上司から悩みを聞いてもらいました。
部下も質問したいとサインを出している可能性が。
上司はサインを見逃さないようにしましょう。
まとめ
今回は部下を指導するときのNGな言い方5選について解説してきました。 上司の言い方1つで部下の「やる気」が大きく変化します 。
それほど、上司の言葉の力は強いといえます。また、部下に伝えるときの場所や雰囲気作りも重要です。重たい空気感では部下も話を聞く姿勢になりません。
部下が話を聞きやすい雰囲気作りをまずは意識してみましょう。